鬼のお面七変化
今日は節分。ちびっ子鬼たちが園庭にたくさん現れ「鬼は、外!」「福は、内!」と、賑やかな豆まきを行ないました。各々が、自分で作ったお面をつけて楽しいひと時を味わったのですが、そのお面を作った時に、大変素晴らしい発見があったのでした。
それは、一つのお面に顔がいくつもあるという下記のようなお面です。
画用紙に丸を描いてから半分に折り、線の上を切り取ると目になるということをクラスで話し、鼻や口は切る角度や形を変えるだけでできるので、みんな違う表情のものができあがります。
作っている途中で、「失敗した…失敗した」と言っている子どもがいました。画用紙に穴を開けたものの、自分の顔にピッタリ合わないほど目の間隔が開きすぎたようです。
「いいやん、もう一つ穴を開けてサイズを合わせたら?」と、そのまま続行するよう声をかけました。しかし、また穴を開けても「失敗した…」と言って、穴が四つ開いていることが気に入らない様子です。「目が四つ開いている鬼もいるよ。講堂には目が一つの鬼もいたし。一本角や二本角もいるから、鬼にも色々いるよ」そう話すと、気を取り直した彼は、四つの穴に目を入れ替えて覗き、楽しみ始めたので「いいね、お面一つで二つの顔が楽しめるんじゃない?」そう言葉がけると、先程までの表情がガラリと変わり、嬉々として続きを作り始めたのでした。
そして出来たのが上記のお面です。私は穴が四つなので二匹の鬼の顔を作ったのかと思いきや、穴を覗いて遊んでいるうちに一つずつずらすと三つ、顔にあてはまることに気づいたのでしょう。
「すごい!三匹の鬼に変身するお面?面白いなあ」と盛り上がっている部屋へ、たまたま用事で来られたのは川上先生。「へええっ、本当にすごいね」と感心した後、「うわっ、先生、四匹目の鬼を見つけたよ」そう言って、端の二匹の鬼の鼻で山折、真ん中の鬼の鼻で谷折をして、端と端の鬼の顔半分ずつをくっつけられたのです。
…少し画像ではわかりずらいですね。。。三人寄れば文殊の知恵ではありませんが、どんどん進化していく一枚のお面。
その頃には、「失敗した…」と言っていた子どもの顔は自信に満ちた顔つきになっていました。失敗は成功のもと、失敗を何に変えていくのか考えさせることこそ、させたい経験だと思います。
最後に、先日のブログでも紹介されていた幼児教育研究大会で浅見先生が砂場遊びについて発表されていたことが、私の胸に響いたので紹介しておきます。
「想像と破壊ができる遊びが砂場遊びです。失敗を繰り返し、試す遊び、その中で感性が育っていくのです」
私たち保育者が胸に深く刻んでおかなければならない言葉だと思いました。
皆さんのところにもたくさん福が舞い込みますように。。。