「一年の決まったある日」に読み聞かせする絵本を

ある日のこと、皆勤者・精勤者に御褒美としてお渡しする絵本を選んでいました。

この10年、比較的以前にお渡しした絵本を提供することが多かったので、今年は久しぶりに新しい風をふくんだ絵本にしたいと考え、その絵本の選出にかかったのでした。ただ、言えることは、御褒美と言えど、単にこれがいいだろうという安易な気持ちで選んでいる訳ではなく、それなりに、今後の子どもたちの生活になんらかの良い影響を及ぼすものをと考えているのです。

まず、頭に浮かんだのはコールドコット賞とか、ケートグリンナウェイ賞とか、昔からめんめんと続いている権威ある授賞作の中からとも思いましたが、少し考えが古いかな?と思い返し、今回は“よい絵本の一覧”(全国学校図書館協議会・選定)を使い、この中から選出しようと決めていたのでした。

 

このリスト(50冊ほど)の中から広野幼稚園で子どもたちに毎年読み聞かせしている絵本を除外し、続いて自分が知っている絵本を再読したのでした。しかし、それほど新たに感動する本はありません。

続いて、自分が今までに目を通していない絵本を読んでみることにしました。そうすることで何か別のイメージが浮かぶのではないかと期待したところ、なんと、思わぬ副産物を得ることができました。

それは、この本なら、交通教室が行われた日にとか、この本なら、1月17日の阪神大震災が起こった日にとか、“1年のある日”限定で読み聞かせをすれば、子どもたちの心の奥底により強くその日のことが残っていくだろうと思えるものです。

元々、敬老参観の日などには“はやくあいたいなあ”(絵本館刊行)の絵本の読み聞かせを行っていたことが自分の潜在意識の中にあったのかも知れません。