
NO.11『げんきなマドレーヌ』
ルドウィッヒ・ベーメルマンス/作・画 瀬田貞二/訳
福音館書店 |
パリの古い屋敷に暮らす12人の女の子は、何をするのもみんな一緒、2列になってパンを食べ、2列になって歯を磨き、2列になって寝ます。そんな女の子たちと、先生のミス・クラベルのお話しです。感性豊かな子どもたちのなかでも、一番おちびさんのマドレーヌは好奇心旺盛で活発な子です。そんなマドレーヌがある時、盲腸炎で入院しました。みんながおそるおそるお見舞いに行った病室は、・・・・おもちゃに、キャンデーに、人形の家。なかでも、マドレーヌが見せてくれたおなかの傷にはみんな驚き、うらやましがりました。屋敷に帰って、いつものようにパンを食べて、歯を磨いて、みんなで寝たと思ったら・・・・みんな「もうちょうをきってちょうだいよ!」
パリの有名な建物や場所が美しく描かれた大きな画面と簡潔な文章、特に黄色を基調とした絵は知らず知らずに子どもたちをその絵の中に引き込んでいきます。パンドーム広場で警官に追われる宝石泥棒、アンバリッドの側の負傷した兵士、雨の日のノートルダム寺院、リュクサンブール公園、サクレ・クール寺院の前でスケートをする子どもたち、ルーブル美術館前のチュイルリー公園を散歩する子どもたち、たとえパリに行ったことがなくとも、そこに描かれた風景を隅々まで目で追ってしまうのではないでしょうか。
・・・・と、マドレーヌが入院して11人の子どもたち、お見舞いから帰ってきてパンを食べて・・・・あれ?
12人いる? 歯を磨いて、寝ているのは11人なのに・・・・。そんな事ってあるんでしょうか?是非お子さんとご一緒に絵本を読んで確認してみてください。(m.k) |
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げんきなマドレーヌ |
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