(社)横浜市幼稚園協会

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NO.31『ねずみとくじら』
  ウィリアム・スタイグ/作  せたていじ/訳  評論社

 海に憧れるねずみが、自分の力で船をこしらえ航海に出かけます。最初は船酔いに悩まされますが、すぐに波になれていって元気が出てきます。夜、甲板に横たわって星を眺めながら、ちっぽけな自分の存在でも大宇宙の仲間のように感じます。

 ところが、ねずみはちょっとした不注意で、海に投げ出されてしまいます。もうだめだ、死ぬかもしれないというときに助けてくれたのがくじらです。ふたりはそれぞれ、陸に住み生きるものと海に住み生きるものとの違いがありますが、認め合って友情を育んでいきます。お話は淡々とすすんでいきますが、最後に大きなドラマが待っています。それは読んでのお楽しみです。

 人として生きていくときに最も大切な出会い、本当の友だち、別れということをしみじみと感じさせてくれる物語で、大人が読んで感動する作品と言えます。ことばの難しさや文章の長さからいって、幼児が理解するのには難しさもあるかもしれません。でも、子どもはこの絵本をどう受け止めるのかが楽しみです。これまで絵本を読んでもらう体験を積み重ねてきた、年長組の子どもに挑戦してもらいたい長編です。

 作者のスタイグは、60歳くらいから、子どもに夢や希望をあたえる作品を本気で描いてきた人で、90歳をこえる現在も新作を発表しています。(k.s)


ねずみとくじら


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