
NO.52『いっぽんばし わたる』
五味太郎 絵本館 |
4歳児の私のクラスでは、大のお気に入りの絵本になりました。1ページめくるごとに大笑いで「(もっと絵を)よく見せて!・・・ほんとだ!」と言う声があがります。何十回も読みましたが、そのたびに子どもたちと気持ちが一つになれたような気がします。幼稚園に丸太橋の遊具があり、子どもたちは恐がりながらもそこを渡る遊びに挑戦していたことも、この絵本を理解することに一役買っていたようです。
12月頃、「みんなだったら、どんなふうに1本橋を渡る?」と聞いてみたところ、大勢の子どもたちが同時に様々な意見を言いだし、収拾がつかないほど圧倒されてしまいました。私は「わかった!じゃあ、紙とマジックを用意しておくから、絵に描いて教えてくれる?」と提案すると、お弁当の後で子どもたちは銘々好きなように絵を描き出しました。その作品がどれもとっても面白くて、腹の底から笑ってしまったのです。
「舟で」「デートして」「迷って」「ラクダで」「テレビが」「ボールを転がしながら」「ブランコして」「釣りながら」「泣きながら」「月を見ながら」「猫ちゃんとお散歩しながら」「猫のまねして」「花を探して」「ビール飲みながら」「お芋屋さんの声を出しながら」「お尻出して歌いながら」「アイスクリーム食べながら」「チューリップ見てきれい!って」「いろんなおばけが妙な車(救急車)に乗って」「おばけが下に湖がある所を」「ドアがうんちをふみながら」「幼虫がフンをしながら」「スピードを出して登りながら」「手と足で」「普通の道は混んでいるから裏道を通りながら」渡るというわけです。
子どもの想像力というのは、大人が思うよりはるかにすごいんだなあと感心させられました。(K.S) |
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いっぽんばし わたる |
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