(社)横浜市幼稚園協会

子育て応援団
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NO.56『かみさまからのおくりもの』
                ひぐちみちこ/作  こぐま社

 「世界に一つだけの花」という曲の歌詞の中に「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」というのが出てきます。他人と比較して、自分はできないなと惨めに思うことはたいがい誰にでもあると思いますが、そんなとき、自分もかけがえのない大切な存在として、きっと何かしらいい物を持って生まれてきたのかもしれない、そう思えたとしたら、ちょっと元気が涌いてくるような気がします。
 この絵本は、5人の赤ちゃんが産声を上げたときに、それぞれの「個性」という宝物を授かるというお話です。明るい色使いの貼り絵が手作り風で、印象に残ります。

 作者の樋口通子さんは、娘が3歳になり幼稚園に入った頃から、どうしても他の子と比べてしまい、目がつり上がってきて「よく泣く!ゆっくりしている!うちの子はダメだ!なんとかしなくちゃ!」とカッカとなって叱ってしまいました。結果は無残なもので、娘さんはますます泣き、ますますゆっくりになっていったのです。
 でも次第に、親や社会の気に入るように変えようとするのは大人の横暴ではないか、子どもの本来持っている個性を壊してはならないことに気付いていったそうです。そうなると、娘の「優しさ」「よく泣く」「ゆっくり」という個性が大切なことに見えてきたという育児が土台になって、この絵本のもととなる手作り絵本「かみさまからのおくりもの」ができたということです。娘さんは大変喜んだそうです。

 普段は、なかなか心の余裕がなくてイライラしてしまう親にとって、「この子は○○が好き!こんないいところがあるんじゃないか」とハッと気付かされ、「そこを大事に伸ばして、育っていってくれるといいなあ」という優しい気持ちを呼び起こしてくれるような絵本です。(k.s)

かみさまからのおくりもの


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