(社)横浜市幼稚園協会

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絵本の散歩道(絵本紹介のページ)

NO.81『ザガズー』
        クエンティン・ブレイク作 谷川俊太郎 訳  好学社

 
「ザガズー」という何とも不思議な題名に興味を持ち、思わず手にしたのがこの絵本との出会いでした。お話は、ジョージとべラが模型飛行機を作ったり、アイスクリームを食べて楽しく暮らしていたある日、妙な格好の小包が二人のもとに届きました。小包を開けると中から、首に名札をつけたちっちゃな、ピンクのいきものがでてきました。

 名前はザガズー。 「なんて素敵なんでしょ」とジョージとべラは幸せな日々をすごしていました。ところがある日、朝起きてみるとザガズーが、はげたかの赤ん坊にかわっていたのです。恐ろしいキイキイ声でなきました。「どうすりゃがまんができるんだ」次の日は、ちっちゃな象に・・鼻でつかめるものは、何でも口に入れました。「手がつけられないわ」また次の日はイボイノシシに・・泥みたいなものになら、何でも身体をこすり付け、家中を走り回りました。「もう、めちゃくちゃだ」ザガズーの変身はまだまだ続くのですが・・・

 絵本の中で変身したザガズーは一言も話しません。言葉にならない感情や行動を愉快な動物で表現しています。またジョージとべラに言葉があることで、ザガズーの行動がより印象強く感じられるのも作者クエンティンの意図だったのかもしれません。

 子ども達にこの絵本を読んだところイボイノシシのところでは、子ども達がニコニコ笑い出しました。象のところでは「ぼくの妹といっしょ!」と共感している言葉がでていました。二本足で立つ毛むくじゃらが出て来た時には「魔女に魔法をかけられた!」「きゃ〜」という声がでてきました。

 絵本の冒頭に、谷川俊太郎さんが、子どもがときに大人の目からは理解できない怪物に見えることは誰しも経験すること、まだ人間になりきれていない、不思議な生きもののそこにこそ子どもの成長のエネルギーが潜んでいる。また 大人は老いるにつれ、子どもに戻る、今度は大人になった子どもが子どもになった大人とともに生きていくそれがまた新しい苦労(と喜び)の始まりだということをクエンティンは暗示している。

本当にそうだと思いました。ザガズーは子育てに奮闘しているお母さんに是非、読んでいただきたい絵本の一冊です。                                                  はな 


ザガズー


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