体が大きくてダンプ丸と言われる園長と、9人の個性的な年長組の子ども達との「海賊ごっこ」をめぐるダイナミックな遊びが描かれています。
この絵本の第一の魅力は、昔の子ども達の素朴な遊びが描かれていることです。小さな園なので運動場やすべり台はありませんが、地域の神社や原っぱに出かけていって遊び込んでいくのです。
第二の魅力は、子ども同士の密な関係です。9人という少人数ですが、柄パンたかし、お姫様のさくら・・・など全員の個性がよく出ていて、それをお互いが認め合えている関係があります。夢中に遊んでいく中で、力が涌いてくるような場面では、自分達の歌も自然に口ずさんでいます。
第三の魅力は、ダンプ園長の大らかさです。ダンプ園長は、一見荒っぽく遊びをふっかけて憎まれ役にもなりますが、子ども達のエネルギーは結集していきます。寝っ転がって見ていないふりをしながらも、いつも温かく大らかに見守っています。
ぼくは、こんな風に子ども達と遊びたいなという気持ちを持ちながら保育しています。
107ページもある長編ですが、年長組の子ども達に読んでみると、おもしろがって聞いてくれました。読み終わった後、園外の素朴な自然が残っている所に出かけて、たっぷり遊びたくなるような絵本です。(k、s)
|