年長組の2月です。なんだか子どもの様子が落ち着かない時期がありました。どうやらその原因の1つは、小学校を強く意識し出すことにあるようです。
もちろん、小学生になれることは、誇らしく楽しみなことです。でも、一人ひとりの子どもの話を聞いてみると、不安な気持ちを抱えていることがわかりました。「テストで0点を取ったらどうしよう」「給食を食べれなかったらどうしよう」「算数が苦手だからついていけるか心配」「行きは登校班だけど、帰りは1人だから怖い」「朝早く仕度をしていくなんて無理かも」「新しい友達ができるか不安」など、子どもたちは真剣に考え悩んでいるのです。
そんなときに、子どもと信頼関係のある保育者や保護者が、子どもにどのように伝えるかが大切だと思いました。
私は「小学校は、幼稚園とはまた違った楽しさがあること」「自分で楽しみを見つけるのが上手なみんなは、ちゃんと友達と話し合って遊んだり年長の生活をしてきた、そのみんななら、小学校へ行っても大丈夫」ということを伝えました。子どもを慌てさせるのではなく、一人ひとりの気持ちをどーんと構えて受け止め、そっと背中を押してあげたいと思っています。
この絵本に登場する先生は、1年生のくんちゃんが知っていること、できることから、自然に授業に参加できるように配慮してくれています。くんちゃんは、よろこび勇んで、学校に行きたい!と思うのです。
期待と不安、両方の気持ちを抱えて新しい世界へ一歩踏み出していく子ども達に、そっと安心と元気を与えてくれる、心温まる絵本だと思います。(K,S)
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