この絵本は、私が年少3歳児の担任をしていた時によく読んでいた絵本です。幼稚園生活に不安があり、泣いたり、落ち着かない時でも読み始めると不思議と静かになるのです。一年間を通して何回も読んでいくうちに、絵本をパッと出すと、「いつくるのかな?」と期待しドキドキ・ワクワクと始まるのを楽しみにしている子ども達でした。子ども達をここまで引き付ける魅力は何でしょうか?
表紙を開くと、1本のレールが描かれています。このレールは絵本の始めから後りまで繋がり、その上をあか・オレンジ・きいろ・くさいろ・うみのいろ・すみれいろ・まっ黒と色々な色のかもつたちのぎょうれつが走っていきます。
かもつたちのぎょうれつは走り、トンネルをくぐり、昼も夜も走りどんどん走り続けていきます。
かもつたちのぎょうれつはどこへ行くのでしょうか?子ども達の想像の世界では、かもつたちのぎょうれつは始まりも終わりもなく、いつまでもどこまでも走り続けているからこそ、子ども達もいつでもこの絵本の世界に入ってこられるのでしょう。
かもつたちのぎょうれつは、いつまでも子ども達の中で走り続けています。(H・Y)
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