(社)横浜市幼稚園協会

子育て応援団
絵本の散歩道(絵本紹介のページ)

NO.112 『ねこのシジミ』      
                  和田 誠 作  ほるぷ出版 

私の幼稚園では、年長組の子どもたちが、当番として毎朝交替で門に立ち、保育者と一緒に登園してくる子どもたちに挨拶をしています。

幼稚園と4メートル程の道路をはさんだ向かいのお宅には3匹の猫がいて、そのうちの1匹が、ちょうど登園の時間帯に玄関前できちんと前脚を揃え、こちらを向いて座っているいることが多くあります。

お向かいの猫たちには、砂場の脇に毎日規則正しく残されているウンチや、園のウサギの餌が時々しっけいされることなど、苦情の一つや二つ、石の一つや二つ投げてもバチは当たらないと思っているのですが、子どもたちの手前それもならず、「猫さんお行儀いいね。年長さんよりお当番上手かも」などと、早く遊びに行きたくてウズウズしている当番のプライドをちょっとくすぐるぐらいには協力をしてもらっています。

ここまで書きますと、私が猫に対してあまり良い印象を持っていないと思われてしまうかもしれませんが、そんな私にもこの絵本は、猫も人もお互いに思い入れ過ぎたり媚びたりせず、終止淡々と描かれていて、なかなか良いかなと思えてしまいます。

作者の和田 誠は、グラフィック・デザイナー、絵本作家、作曲家など、幅広いジャンルで活躍をされていますが、デザイナーらしいシンプルさが印象的な他の作品とは違って、細やかな線で写実的に描かれているこの絵本は、和田 誠の筆を借りて、実在の和田家の猫が、自らの半生を振り返っている自伝のように感じられます。でも、本当のところはどうなのでしょうか。裏表紙の猫のウインクが、ちょっと気になるのです。(S.T)


ねこのシジミ


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