(社)横浜市幼稚園協会

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絵本の散歩道(絵本紹介のページ)

NO.131『うさぎのさとうくん』
                さく・え 相野谷由紀   小学館 
        

先日、休日とはいえ、溜まりに溜まった仕事のために、ほぼ一日中机に向かっているはめになりました。夏も終盤ということもあって日中は蝉の声一色でしたが、日が落ちる頃から、どこともなく秋の虫たちが鳴き始め、昼間とはうってかわった雰囲気になってきました。悠長に虫の音など聞きいっている暇は無かったはずなのですが、この声はコオロギだな、これはなんの虫だろう、どの辺で鳴いてるのだろうなど思いめぐらしているうちに、この音はどこにいってしまうのだろうなんて訳もわからないことを考え始めてしまいました。単純に考えれば、空気を伝わって私の鼓膜を震わせた音は、そのまま広がりながら次第に減衰して消えてしまうのでしょうが、ひょっとすると庭の片隅に立っている老木の室だとか、重なりあった葉っぱの隙間だとかに、天然の蓄音機宜しく実はひっそりと残っているんじゃないか。そして、寂しい冬の夜かなにかに静かに漏れだし「まだ、虫たちが残っていたんだ」なんて、ちょっと誰かを嬉しい気持ちにさせてくれているんじゃないかとか、あれこれ考えてしまったのです。

今回ご紹介する絵本は、そんな気持ちにぴったりの本かもしれません。主人公のさとうはねるくんは、世間からは兎同一性障害(勿論そういうものがあればの話ですが)と言われていました。本人はそんなことで少しも悩んではいなかったのですが、素敵な着ぐるみが手に入った時に、思いきって兎として生きていこうと心に決めます(ここまでも勿論私の勝手な想像です)。そして、この絵本にはそれからのさとうくんの本当に楽しい生活ぶりが描かれています。第12回日本絵本賞の受賞作品でもありますので、どうぞご一読下さい。(S.T)


うさぎのさとうくん


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