赤に塗られたバックの上に愛嬌のある表情で今にも話しかけてくるようなたまごの表紙が気になり、思わず開いてみました。すると見開きには鶏が一羽、たまごとナイフとフォークをジーッと見ています。
「この本、料理の本かな?」・・・とページをめくり「えっ!」。そして思わず「ふふふ・・・」生活に密着しているスーパーの中の様子に始まり、食卓に欠かすことの出来ないたまごを通して、さまざまなたまご料理のレシピなどの視点でお話が進んでいきます。たまご一つひとつの表情が楽しく、また関西弁での表現がこの絵本をより一層魅力あるものに感じさせています。
幼稚園で読み聞かせをした時、年少児は、保育者の読んでいることばに反応し「こうてもろうたでぇ」「ちべたぁつ!」等保育者の真似をして楽しむ姿が見られました。年中・長児は、はじめは聞きなれないことばに、最初はぽか〜んとしていましたが、たまごがいろいろなお料理に変身していくと、手を差し出し絵本の中の料理を「ぱくっ」と食べるまねを始め、オムライスの場面では「わぁ〜」と声を上げて喜んでいました。また一つひとつのたまごの表情を良く見ていて「これがいいな」「おもしろい」などと子ども同士で話をしていました。
この絵本を読んだ後、お母さんがスーパーにたまごを買いに行ったら、思わず「美味しいお料理に変身させてあげるわぁ」と卵に向かってつぶやいているかもしれません。子どももお母さんも目と耳そしてお腹までも十分楽しめる絵本です。 はな
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