園庭のプランターに植えた大根やラディシュの葉が伸び始めると、どこからともなくモンシロチョウが飛んで来て、せっせと卵を産み付けていきます。虫好きの子どもたちにとってはうれしい季節になってきましたが、ちょっと油断をしていると、せっかく伸びた葉があっという間に丸坊主になってしまいます。うれしさも中位というところでしょうか。
今回紹介する絵本は、『かぶとむしーかぶとむしの一生』『かまきりーおおかまきりの一生』『ちょうーあげはの一生』『とんぼーぎんやんまの一生』『はちーふたもんあしながばちの一生』の5册がセットとなった得田之久さんの新版です。
このシリーズは、図鑑のように知識を伝えるものではなく、一生シリーズというだけあって、虫たちが生まれてから死ぬまでが、それぞれ一つのドラマとして丁寧に描かれていて、子どもの時の自分の体験とオーバーラップしてしまいます。
あとがきを見ると、40年程前に書き上げた本ですとありました。40年位前は、まだ小学生の夏休みの宿題(自由研究)の定番と言えば昆虫採集で、虫たちにしてみれば迷惑至極に違いないのかもしれませんが、虫と子どもが今よりも身近に暮らしていたように思います。テレビやゲームではなく、生きたドラマを体験しながら育ってきたのかもしれませんね。(S.T)
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