森に住んでいる2匹の小さな白いうさぎと黒いうさぎが1日中楽しく遊んでいます。馬跳びをしても、かくれんぼをしても、かけっこをしても、ひなぎく跳びをしてたんぽぽを食べても、そのたびに黒いうさぎはとても悲しそうな顔をします。白いうさぎが「どうしたの」と聞いても「うん、ぼくちょっと考えていたんだ」と黒いうさぎは答えるだけです。
白いうさぎといつまでも一緒にいることができたらと思うからなのです。二匹のそれぞれの場面での愛に満ちたまなざしに注目してください。
原題はRabbit’s Wedding 「うさぎの結婚」であるのに「しろいうさぎとくろいうさぎ」にタイトルを変えたのは子どもの本に結婚はふさわしくないと訳者は思ったのでしょうか。
白いうさぎと、黒いうさぎが結婚するのは、白人の女性と黒人の男性との結婚のイメージを子どもに植え付ける怖れがあるとの理由で、アメリカ南部では図書館に置くべきではないとの運動があったようです。
ガース・ウイリアムスがわざわざうさぎのひげを描かなかった意図も深読みしたいところです。
相手がいてもなかなか結婚に踏み切れないカップルに、私がプレゼントしたい一冊です。 具
|