母恋し

カレンダーを見ているわけでもないのに毎年、同じ時季がくるとつぼみをつけ、花びらをほころばせる花たち。

今年、さくら組の手洗い場が作られた場所(東門近く)は、毎年、彼岸花が美しく咲く場所だったので、秋分の日にはお彼岸の話をして、子どもたちと身近に眺めることができ、喜んでいました。

個人的に好きな花なので、いつも造形のテーマとして取り上げたいな・・・と思っていたものの、いつも気づけば枯れていて描くタイミングを逃していたのが、今年は開花時期が長く、ようやく取り組むことができました。

この花にはたくさんの呼び名がついていますが、その中でも有名な別名は曼珠沙華。私がこの花を好きになったのは、年長児が取り組んでいる俳句カルタの中に登場し、取り組んでいるうちにです。

 

 

 

 

「曼珠沙華 抱くほどとれど 母恋し」

若い頃には、何も考えずに読み札を読んでいたのですが、ふと、何故、この作者は彼岸花を曼珠沙華と読んだのかと疑問に思ったときに、作者がお彼岸に墓参りへ行き、両手いっぱいに曼珠沙華を抱きながら母親への想いを胸につまらせている情景が浮かんだのでした、

それ以来、この句と共に彼岸花が好きになったのです。

(後年、調べると作者が実家の側に咲いていた彼岸花を思い出して・・・という句で、母親はご存命だったようです。。。)

 

 

誰にとっても母という存在は大きいものです。幼稚園にきて心細くなったとき、子どもが「お母さんに会いたい・・・」とつぶやく瞬間、この恋しいという心情なのでしょうね。

大人になっても、「母恋し」(父恋し)というような親子関係を築いていきたいものです・・・