島田耕園(二寧坂)から(うちわの)小丸屋へ

お彼岸中日の23日の午後、久しぶりに京都の東山を歩きました。市バスを東山安井で降り、護国神社の方へ進みます。二寧坂にある島田耕園(京都で唯一の御所人形の製作店)を訪れようとしていたのでした。

御所人形とは陶器の白磁のような艶(つや)があり、輝きをもち、3等身のぽっちゃりした顔・からだのかわいい人形です。昔、京都の上流階級の間で持て囃され、参勤交代のお殿様が国元に帰る際、妻子へのお土産品の一つであったとも聞いています。

いろいろな人形を持つ広野幼稚園ですが、この系統のものはまったく持っていません。できるだけ、子どもたちには本物を見せたいということも私たちの願いの一つですので、いつかは、この人形を求めたいと思っていたのでした。

このお店には1時間ばかりお邪魔していたでしょうか、しぶとく粘って小ぶりでそれほど値段の張らないものを5点ほど購入したのでした。次回は、もう少し立派なものを買いたいと思っているところです。

 

このあとは、うちわの専門店、小丸屋に向かうつもりでした。格好よく言えば、今日のコースは“京都の伝統工芸品店を巡る”というものです。何かしら、向かう前から心が高ぶり、充足感を得たような気持ちだったのです。

石塀小路を横手に見、豊臣秀吉の正室、ねねさんの菩提寺、円満院の前を通りかかると、1枚のポスターが目に止まりました。たまたま、この日(9月23日)まで、ここでこれから向かおうとする小丸屋が有名画家100人に描かせたうちわの展示会をしていたのです。“渡りに船”と拝観料をはらって、立派なうちわの絵を見せていただいたのでした。

円山公園を南から北に通り抜け、知恩院の壮大な山門前を通り過ぎ、平安神宮の大鳥居が見えてきますと、右手に小丸屋はあるのですが、あいにく、この日は、カギがかかっていて入館はできませんでした。伝統工芸品店を巡るという計画は、スタートから絶好調だったのですが、尻すぼみ気味でちょっと不満の残った3キロほどの散歩でした。