“だいくとおにろく”を上回るスピードで渡り廊下が・・・

広野幼稚園の年中児に30年以上に渡って読み聞かせている絵本の一冊に“だいくとおにろく”があります。名人芸を持つ大きな鬼が立派な橋を2晩で建ててしまうというお話です。このスピードを上回る速さで新園舎ときく組横のピロティを結ぶ渡り廊下が完成されました。月曜日の朝、送って来られた保護者の皆様もさぞびっくりされたことでしょう。

おにろく一人(?)が2晩で建てましたが、この廊下はお一人で2日間でした。ものすごいスピードと名人芸、この匠(たくみ)は、ひばり号の運転手でもある渡辺さんです。

新園舎は竣工しましたが、渡り廊下は“すのこ”だけでスタートし、その後、雨が降るたびに人工芝を敷いたり簡易テントを建てたりしてその場しのぎに終始していましたが、渡辺さんの頭の中では、この間も着々と構想が練られ、“子どもたちのために”と先週末を期して一気に建てられたものです。

写真や現物を見られてお分かりいただけるように、仮設用の鉄パイプを専用のジョイント材で組み合わせ、屋根には透明の波板を貼り、おまけに、樋までついているという本格的なものです。言葉に表せないほど感謝しています。

この間、最初に用意されていた建築材の追加購入にホームセンターまで走られたのは2度だけ、最初から材料はこれとこれとでこれだけいるということが完全に頭の中で構築されていたのでしょう。仕事は“だんどり8分”と言いますが、子どもたちに対する保育も“かくありたい”と思った次第です。

工事中にお話ししていて特に感銘したのは、“一人でする仕事を二人でしては、一人前と半分の仕事しかできない”という言葉です。1+1=2ではなく、1.5であるということです。

長年、培ってこられた技術と労働の価値観に裏付けられた言葉として私の心の中に永久に残ることでしょう。

園長