お年玉は安全

お年玉というと、心躍らせる方が多いのではないでしょうか。それは子どもの頃から頭に刷り込まれた喜びを享受する言葉であるからでしょうか。新年ごとに、広野幼稚園の子どもたちだけではなく、教職員、保護者の皆様にもこれをお贈りできればいいのですが・・・なかなかそういう機会には行き当たらないものです。

ところが、昨年の暮れにはひょっとしたらこれに該当するのではないかという物の見積もりを業者に依頼したのでした。それは、サッカーグランドの北側にある井戸水が流れるせせらぎの安全策としてセンサーを設置することでした。

結構長い間、子どもがここに転倒したらどうするかということは自分の悩みの種でした。もしも転倒した状態を見つけるのが遅れたらということを考えますと、安穏と月日は送れないという状態が続いていたのでした。

ようやく、思いついたことは、長さ20メートルに及ぶせせらぎの流れに沿って、人感センサーを張ればということでした。そして、もしも子どもが転落したら、即座にある場所(職員室や隣の部屋)でかなりの音が鳴り響くというものでした。

当然、広野幼稚園の周囲に張り巡らせているセンサーを警備していただいている会社に設計を依頼したのですが、当方の考えとあまりに遊離しておりましたので、古くからある市内の森井電器に設計・施工をお願いしたのでした。

年が改まった早々、工事に取り掛かっていただき、無事、3学期の始園式までに完成しました。この工事によって、子どもたちがせせらぎに住むメダカやアメンボに関心を持ち、のぞき込む姿を見ても、「~しなきゃだめよ」という否定的な言葉掛けも不要となることでしょう。

近江商人の間で昔から今に伝わる“三方よし”の言葉どおり、子ども・保護者・保育者が、広野幼稚園の環境の問題点の一つを改善できたことを喜び合い金銭ではなく安全のお年玉を受け取っていただければ幸いです。

園長