東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一、おめでとうございます

今からさかのぼること10年近く、私たちになじみの深い近鉄電車が、プロ野球球団を手放し、オリックスと合併するという事態が発生しました。一時期パリーグは、5球団で運営せねばならないかと憂慮されていたとき、その後始末に乗り出してくれたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスでした。

言い方は悪いのですが、各球団から自由契約を言い渡された選手達の集まりに近い状態でした。今もアメリカの大リーグで活躍する岩隈投手以外、ほとんど、思い出せないくらいです。

まして、ご存じのとおり、東北地方は一昨年の3月には未曾有の地震と津波に襲われ、肉体的にも精神的にも極限の状態に追い込まれました。そのような状態のなか、キャプテンの嶋選手の「見せましょう。野球選手の底力を!」という宣言のもと、地道に力をつけ、群雄割拠、実力伯仲のパリーグを制したのみならず、巨大戦艦大和にも匹敵する投打ともに充実し、球界の盟主ともいうべき、読売巨人軍を多くの方々の予想を裏切り、4勝3敗で初制覇を成し遂げられました。楽天ファンではありませんが、心よりお祝い申し上げます。

1シーズン24勝負けなしの田中投手の去就も心配されますが、新人ながら驚異的に働きを見せた則本投手を始め、若い野手陣、今年のドラフト会議でも横浜桐光学園高校の左腕、松井投手を引き当てた運の強さ、これらの方々をリードする闘将星野監督、これらの方々の集団が今後も東北の方々の一つの希望の星となることを願っています。

誠におめでとうございました。来年は、地元の阪神タイガースやオリックスブルーウエーブも頑張り、われわれの目を楽しませてくれることでしょう。