ディック・ブルーナ(オランダの絵本作家)の絵から学ぶ

確か先週の木曜日だったと思うのですが、疲れたからだを畳に横たえ、見るともなく見ていたNHKの画面から見覚えのある街角が映し出されました。自分が住む上長者町通りの一角です。

まさかと思いながら、だらけた姿勢を続けていますと、昔から京都の町に伝わる仁丹の縦の広告板に“山王町”の名前が見えました。まさに、2丁足らず離れたところが写っているのです。関心が高まりましたが、それでも寝転んだままです。

続いて写し出されたのは、京都特有の奥深い路地を入ったところにある本屋さんとも雑貨屋さんとも言えるお店です。この店のことは、1か月ばかり前に、知人から「おもしろい本屋があるよ」と聞いていたので、「ははん」と独り合点しながら記憶にとどめたのでした。

さて、日曜日の昼下がり、すぐ近くだからと結構暑さが厳しい中をこの店(マヤルカ古書店)を目指したのでした。現在、京都では巨大広告の看板や色の規制が強化され、看板屋さんは寝る暇もない忙しさのようですが、このお店はこの規制に適合する模範店のように小さな三角錐(?)の標識が道端に置いてあるだけです。今まで気づかなかったのもむべなるかなです。

一時間足らずの間に、いろいろな本に目を通したのですが、中でも気に入ったのが、オランダの絵本作家、ディック・ブルーナの作家理念や現況を紹介した大型写真絵本でした。40数年前に福音館書店によって紹介されたうさこちゃんシリーズは、“子どもが初めて出会う絵本”のキャッチコピーのもと、日本の多くの赤ちゃんに大きな影響を与えました。

絵の特徴は、真四角な画面、二等身、正面を向いた顔、お話はいつもハッピーエンド、赤・青・黄色・グリーンなどの6色しか使わない色使いなどです。彼にとって、この6色はそれぞれ、特別な意味を持っているようです。喜び・楽しさをもたらす赤、悲しみ・静けさの青、ブラウンは落ち着き、グレーはバランスに必要などです。このように色に意味を付けて保育の場で活用するというのは、幼児期の絵の指導においても結構役立つのではと思いました。満3歳児や年少組の先生方に薦めてみようと思っています。