二つの鉄棒を比べてみれば

 

 

この二つの折り畳み鉄棒の違いにご注目ください。子どもたちが逆上がりに取り組んだ場合、まったく同じ能力の子どもであれば、手前の鉄棒で取り組んだ子どもは上達が速く、後方の鉄棒で取り組んだ子どもは、今一つ進歩のスピードが遅いということです。

なぜそう断言できるかと言えば、手前の鉄棒の方が、バーと壁面の距離が10センチも短いからです。バーを両腕で握り、片方の足で壁面を蹴るというのが、広野幼稚園の逆上がりの指導法の一つでもありますので、子どもの足が壁に余裕をもって強力に蹴れるほど、上達するまでの期間が短くて済むということになります。

一般に幼児教育の世界では、“一人ひとりを見る”ということが過大に言い回され過ぎていますが、“二つを見比べてこそ、違いが分かる”というのが、広野幼稚園の基本理念の一つでもありますので、このような比較はもっと以前に分かっていてしかるべしであったと、少し残念に思います。

とは言え、この発見は今後の子どもたちの逆上がり指導の基本の一つになるであろうことは間違いありません。遅がけながら見つかったことを喜んではいます。