カプラ(小さな積み木)を個人持ちに

新年以来、小さな積み木についての話が多いかと思いますが、今はその辺に頭の神経回路が広がっているのでしょう。今回も積み木のお話です。

マッチ棒の変化を積み木で代用するという話を記したかと思いますが、ある日の朝、まどろみながら考えたことは、既製本などでマッチ棒で表されている(簡単な)図形を、子どもたちが直接カプラで表現(真似)するよりも、私たち保育者がマッチ棒の図形をカプラの図形に書き直して子どもたちに提示してみた方が、取り掛かりの一歩としては望ましいのではないかと思ったのでした。

こうすれば、子どもたちはイメージの広がりという点では、少々遅れを取るかも知れませんが、一度に全員を取り組まそうとするときには、好都合ではないかと思ったのでした。あらかじめ、“アウトプットは求めない”という考えです。

具体的に述べますと、マッチ棒の代用のカプラ図形を10ページほどの薄い冊子状にしたものを、クラスの子どもたち全員に用意しておきます。

この一方、数多くある幼稚園持ちのカプラを子どもたち一人ひとりに配分します。年少児は4個ずつ、年中児は8個ずつ、年長児は12個ずつです。数は今のところこれぐらいが適当かと思っています。これを子どもたちは自分のお道具箱に入れて保管します。

あの時間には、これを使って子どもたちは基本的図形を作ります。年少児は1個のカプラを一辺として、三角形(正三角形)や四角形(正方形)を真似ます。

年中児に8個ずつ持っていますので、この倍の大きさの物や、三角形なら底辺に2個並べ、両斜面に3個ずつ並べれば、変わった形の三角形(2等辺三角形)ができます。四角形では、正方形だけでなく、長方形や菱型が作れます。図形の変化が楽しめます。丸も作れなくはないでしょう。

年長児では、12個ずつ持っていますので、基本的な三角形や四角形から離れて六角形や星形ばかりでなく、イメージさえ働かせれば、具体物的な物も作れます。このような手立てを講ずれば、積み木遊びが思いの他、発展するのではないだろうかと考えています。

また、広野幼稚園に無数にあるカプラを教育的に有効活用できるとともに、今まで、なかなか整理整頓されずにいた幼稚園持ちのカプラを個人個人の道具箱に入れることで、真の意味でのかたづけにつながって行くのではないかと思っている次第です。