お粗末ながら・・・

ある朝のこと、京都新聞の市民版で、一枚の写真がふと目に止まりました。お釈迦様の生誕を祝う“花まつり”に参加した京都のときわ幼稚園と錦綾幼稚園の園児たちが白象の山車を引いてパレードに参加している姿でした。

写真には、4人の子どもが写っていたのですが、一人目の子どもと4人目の子どもは水筒を肩に掛けています。二人目の子どもと三人目の子どもは首に掛けています。幼稚園や保育所の子どもたちがどこかへ出掛けるとき、ごく普通に見られる光景です。

見過ぎているから見落とすのか、人間の目とは元来そういうものなのか、業界の人間にとっては何げなく見過ごしがちな姿ですが、何か“ピン”と来るものがありました。

よく見ますと、二人目と三人目の子どもは、肩紐が後ろの何かに引っ掛かった場合、直接首に巻き付きます。それに引き換え、一人目と4人目の子どもは首だけではなく肩も通していますので、たとえ、誰か(何か)が後ろから紐を引っ張っても腋の下でもガードされますので、安全度がかなり高くなります。何で、こんな簡単なことも今まで分からなかったかと、改めて自らの能力に限界を抱いているところです。

幼児教育界では“一人ひとりをよく見て!”という言葉が幅を効かせ過ぎているところに問題点があると自分は思っていますが、このような場合も、“比較してこそリスクの様子が見えて来る”のではないでしょうか。

広野幼稚園では、この新聞の写真はカラーコピーさせていただき、半永久保存するとともに、年少児4月のカリキュラムに文字として載せ、今後の安全管理に役立たせようと思っているところです。